メルカトルかく語りき 麻耶雄嵩

死人を起こす

 

一年前、高3のぼくは友人と奇妙な意匠をした「カレー荘」を訪れ、事故で友人を失った。

現在、ぼくらは真相究明のため、再び山荘を訪れた。友人の一人が、名探偵をカレー荘に呼んだと言うのだが、探偵が着く前に新たな事件が発生する。

 

九州旅行

 

美袋のパソコンを駄目にしたメルカトルは、引き換えに次の作品のアイディアを提供するという。はたして、メルカトルは美袋のマンションの一室で刺殺体を発見、二人は犯人を推理することになる。

 

収束

 

新興宗教に嵌った依頼人の娘を取り戻すため、メルカトルと美袋は孤島に向かう。嵐の夜が過ぎ、宗主が銃殺体で見つかってしまう。探偵は、事件は次の夜に「収束する」という。

 

答えのない絵本

 

メフィスト学園の物理教師が理科準備室で殺害された。容疑者の一年生20名から、メルカトルは絞り込みを始める。

 

密室荘

 

信州にあるメルカトルの別荘で身元不明の死体が発見された。状況から、犯人はメルカトル、美袋のどちらかであることは間違いないのだが。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テーマは「フーダニット」。本書では、犯人は「誰でもいい」「いない」「三人のうちの誰かだが、特定できない」など一筋縄でいかない事件が続く。犯人は確実に存在するが、推理で特定できないため、どう折り合いをつけるか?メルカトルのぶん投げ推理が面白い。