11枚のとらんぷ 泡坂妻夫

1部 11の奇術

マチュア奇術クラブによるトラブル続きのマジックショウ。フィナーレを迎えるその時、登場するはずの女性マジシャンが「消失」し、自宅で死体となり発見される。彼女の周りには叩き壊されたマジックの小道具が並べられていた。

 

2部 11枚のとらんぷ

11人のマジシャンのあまり実用的でないカードマジックについて、作者の実体験を元に紹介。

 

3部 11番目のトリック

国際奇術家会議に集う奇術クラブの面々。最終日、慌しい1日を過ごす一同の中で、事件の真相に辿り着く者がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作中作の「11枚のとらんぷ」は一見独立した奇術小説だが、読者にとっては探偵役を誤認させるミスリードであり、探偵にとっては犯人当ての根拠になっているのが面白いところ。

解決パートに入る際は、これで解けるのかという困惑もあったが、消去法による犯人の指名には、言い逃れを許さない迫力があった。